西郷隆盛は、「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」という名言を残しています。これは、業績を上げている人には報酬を与え、人格が優れていてチームをまとめられる人材にはリーダー職を任せてチームマネジメントをさせるべきという意味です。この言葉は、優秀なプレイヤーと優秀なマネジメントに必要な要素が異なることを示唆しています。

優秀なプレイヤーとは

優秀なプレイヤーは、自分の業務において、高いスキルや豊富な経験を持ち、傑出した成果を上げる人材です。目標達成への強い意志を持ち、個人間の競争を好み、常に向上心を持って自身のために努力を続ける存在です。

優秀なマネージャーに必要な要素

一方、優秀なマネージャーは、チームを目標達成へと導くための様々な能力が必要です。具体的には、以下のような要素が挙げられます。

• チームを導く力: チーム全体のビジョンを共有し、メンバーを動機付け、目標達成に向けて導く力が必要です。
• コミュニケーション能力: メンバーと効果的にコミュニケーションを取り、相互理解を深め、円滑なチーム運営を実現する必要があります。
• 部下の個性を活かした育成: メンバー一人ひとりの個性や能力を把握し、それぞれの強みを活かせるように育成する必要があります。
• 部下を認め、自己を押し付けない: メンバーの成果を認め、自信を高めるようにサポートする必要があります。また、自分の成功体験や考え方、やり方を押し付けるのではなく、メンバーの意見を尊重し、自主性を育むことが重要です。

優秀なマネージャーを育成することの重要性

優秀なプレイヤーは貴重な存在ですが、必ずしも優秀なマネージャーになるとは限りません。マネジメントには、プレイヤーとは異なるスキルや経験が必要となるためです。

企業は、優秀なプレイヤーを評価するだけでなく、将来マネージャーになって欲しいならば、マネージャーとしての育成をいくことも重要です。そのためには、マネジメントに必要なスキルや経験を身につける機会を与えることが必要です。

優秀なマネージャーを育成することは企業の成長戦略を遂行するためにも不可欠な要素です。

誤った人材配置の弊害

優秀なプレイヤーだからといって、安易にマネジメント職に就かせると、その人の能力が活かせずに、チーム全体のパフォーマンスが低下してしまう可能性があります。

• プレイヤーのモチベーション低下：マネジメント業務に負担を感じ、本来の業務に集中できなくなる可能性があります。
• チームメンバーの不満：マネジメントスキル不足により、メンバーから不満を持たれる可能性があります。
• チーム全体の士気低下：チーム全体のモチベーションが低下し、業績にも悪影響を及ぼす可能性があります。

適材適所の人材配置

企業は、それぞれの社員の能力や適性を正しく把握し、適材適所の人材配置を行うことが重要です。優秀なプレイヤーはプレイヤーとして活躍してもらい、マネジメントに向いている人材はマネージャーとして育成することで、組織全体の力を最大限に発揮することができます。

西郷隆盛の言葉にあるように、功績を上げている人と、チームをまとめられる人は異なる能力を持っています。企業は優秀なプレイヤーと優秀なマネジメントの区別を理解し、それぞれの能力を活かせる人材配置を行うこと、優秀なプレイヤーを評価するだけでなく、優秀なマネージャーを育成していくことで、チーム全体の活性化や企業の成長につながります。