歴史に学ぶ⑧ 「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」~人の可能性を信じた上杉鷹山の人を導く不屈のリーダーシップ

はじめに

「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」

この名言で知られる上杉鷹山は、故ジョン・F・ケネディ大統領にも尊敬する政治家としてその名前をあげられた、江戸時代に米沢藩の藩政改革を成功させた名君です。

この言葉は「どんなことでも、やる気になって努力すれば必ず実現できる。無理だと思って諦めてしまって努力を怠れば実現できない。全ては人の努力次第である。」という意味で、「人」を重視し、「人」の持つ可能性を信じ、努力すること、本気で取り組むことの重要性を言っています。

また、育成の極意として本コラムでも取り上げている山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」という言葉は、上杉鷹山が残した「してみせて 言って聞かせて させてみる」から影響を受けたと言われています。

今回は、現代社会においても、リーダーにとって重要な示唆を与えてくれる彼の言葉と行動を紐解き、現代のリーダーが学ぶべきことについて考察します。

上杉鷹山の生涯と米沢藩改革

上杉鷹山は、日向高鍋藩主秋月種美の次男として生まれ、幼い頃に米沢藩主の養子となりました。当時、米沢藩は莫大な借金を抱え、財政難に陥っていました。

家督を継いだ鷹山は、藩の立て直しのため、徹底的な倹約政策と産業振興策を実施しました。自ら質素な生活を送り、家臣にも倹約を徹底しました。また、織物や酒造などの産業を奨励し、藩の財政を立て直しました。

鷹山は人材育成にも力を入れていました。藩校「興譲館」を設立し、身分を問わず教育を受けられるようにしました。また、家臣の中から能力のある者を登用し、藩政改革を推進しました。

こうした改革により、米沢藩は財政難を克服し、豊かな藩へと生まれ変わりました。鷹山は「為せば成る」の精神で、困難な状況を乗り越え、藩を繁栄へと導いたのです。

現代のリーダーが学ぶべきこと

上杉鷹山のリーダーシップから、現代のリーダーが学ぶべきことはたくさんあります。

  • 本気で取り組み努力を怠らないこと

鷹山は、藩政改革という困難な課題に立ち向かう際、強い意志と不屈の精神で取り組みました。どんな困難にもくじけず、最後まで努力を続けたことが、改革成功の要因の一つとなりました。

現代のリーダーも、目標達成のためには強い意志と不屈の精神が必要です。どんな困難にもくじけず、最後まで努力を続けることが重要です。