新渡戸稲造「武士道」に学ぶ①|「義」が教える、顧客に誠実な営業組織の作り方

新渡戸稲造「武士道」に学ぶ①|「義」が教える、顧客に誠実な営業組織の作り方

「義は武士の掟の中で
最も厳格なる教えである」

新渡戸稲造が「武士道」の中で
最初に取り上げた徳が「義」です。

義とは、正しい道を行くことです。
損得ではなく、正しいかどうかで判断する。
自分に不利でも、正しいことを正しいと言える。
相手が聞きたくないことでも、
本当のことを伝える。

この「義」の精神は、
現代の営業組織にそのまま当てはまります。

「売れればいい」という発想の営業と、
「顧客にとって正しいことをする」という発想の営業では、
短期的には同じ結果でも、
長期的に全く違う組織になっていきます。

本記事では、新渡戸稲造の「義」を手がかりに、
顧客に誠実な営業組織の作り方をお伝えします。


「義」なき営業が組織にもたらすもの

短期の数字が、長期の信頼を壊す

「とにかく今月の数字を作れ」という
プレッシャーが強い組織では、
メンバーは顧客よりも数字を優先するようになります。

顧客にとって本当に必要かどうかより、
「どうすれば契約してもらえるか」を
考えるようになっていきます。

短期的には数字が作れるかもしれません。
でも顧客は、
「自分のためではなく、売るために来た」と
感じ取ります。

その感覚が積み重なると、
契約後の関係が薄くなり、
更新されず、紹介も生まれない。

「売れればいい」という営業は、
長期的に組織を弱くしていきます。

「言いにくいことを言えない」営業が生まれる

義がない組織では、
「顧客に不都合なことは言わない」という
文化が生まれます。

「この商品は実はあなたのニーズに合っていないかもしれない」
「今のタイミングではまだ早いかもしれない」

こうした本音を伝えることが、
「売れなくなる」という恐怖から言えなくなる。

でも顧客の立場で考えると、
こうした言葉を言ってくれる営業こそが
「信頼できる」と感じるものです。

言いにくいことを言える営業が、
長期的に顧客から選ばれます。


「義」を持つ営業組織とはどういう組織か

顧客の成功を追う組織

「義」を持つ営業組織は、
受注をゴールにしません。

顧客がその商品やサービスを使って
本当に成功することをゴールにします。

「受注して終わり」ではなく、
「受注してからが本当のスタート」という
意識が組織に根づいています。

この姿勢が、
顧客から「また相談したい」「知り合いに紹介したい」
という言葉を生みます。

追加受注や紹介は、
プッシュするより信頼の結果として生まれる方が、
成約率も継続率も高くなります。

正しいことを正しいと言えるリーダーがいる組織

「義」を持つ組織を作るためには、
リーダー自身が「義」を体現している必要があります。

数字のプレッシャーがあっても、
「顧客にとって正しくないやり方はしない」と
言い切れるリーダーがいる組織では、
メンバーも同じ姿勢で動くようになります。

逆にリーダーが「とにかく数字を作れ」と言い続けると、
メンバーは「数字のために動く」ようになります。

組織の文化は、
リーダーの言葉と行動から作られていきます。

長期的な関係を大切にする評価の仕組み

「義」を組織に根づかせるためには、
評価の仕組みも見直す必要があります。

短期の数字だけを評価すると、
メンバーは短期の数字を追います。

顧客との長期的な関係、
顧客満足度、
紹介や追加受注の件数——

こうした指標も評価に組み込むことで、
「顧客にとって正しいことをする」という
行動が評価される組織になっていきます。


「義」は弱さではない

「顧客のことを優先すると、数字が作れない」
と思う経営者もいるかもしれません。

でも新渡戸稲造が言う「義」は、
優しさや甘さではありません。

「正しい道を行く」という
強い意志と覚悟のことです。

短期の数字より、
長期の信頼を選ぶ覚悟。
顧客に不都合でも、
本当のことを伝える勇気。

この覚悟と勇気が、
長期的に強い営業組織を作ります。

「義」を持つ組織は、
一時的には遠回りに見えることがあります。
でもその道が、
最も確実に組織を強くする道です。


まとめ

「義は武士の掟の中で
最も厳格なる教えである」

新渡戸稲造が武士道の中で
最初に取り上げたこの徳は、
現代の営業組織にそのまま当てはまります。

売れればいいではなく、
顧客にとって正しいことをする。
言いにくいことでも、
本当のことを伝える。
短期の数字より、
長期の信頼を選ぶ。

この「義」の精神が、
顧客から選ばれ続ける営業組織を作ります。


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