論語に学ぶ⑤|流されるリーダーと、流されないリーダー。孔子が教えた本当の違い
「君子は和して同ぜず、
小人は同じて和せず」
孔子が残したこの言葉の意味はこうです。
「真のリーダーは周囲と調和しながらも、
自分の意見を持ち流されない。
器の小さい人間は表面上は同調するが、
本当の意味での調和はできない」
「和する」と「同ずる」は違います。
「和する」とは、
周囲の意見を尊重しながら、
自分の軸を持って関わること。
「同ずる」とは、
周囲に流されて、
自分の意見を持たずに合わせること。
この違いが、
リーダーとしての在り方を決めます。
営業組織の現場で見てきた経験から言うと、
「同ずる」リーダーのもとでは、
組織が方向性を失っていきます。
本記事では、孔子のこの言葉を手がかりに、
軸を持つリーダーの在り方をお伝えします。
「同ずる」リーダーが組織に与える影響
「みんながそう言うから」で判断するリーダー
「同ずる」リーダーに多いパターンが、
「みんながそう言うから」で判断することです。
メンバーが「この目標は無理です」と言うと、
「そうかもしれない」と目標を下げてしまう。
上から「とにかくやれ」と言われると、
理由もわからないままメンバーに伝えてしまう。
自分の軸がないリーダーは、
強い意見に引っ張られます。
その結果、組織の方向性がぶれていきます。
波風を立てたくないリーダー
「同ずる」リーダーのもう一つのパターンが、
「波風を立てたくない」という姿勢です。
メンバーが間違ったことをしていても、
「まあいいか」と見逃してしまう。
チームの雰囲気が悪くなりそうな発言を、
「ここでは言わない方がいい」と飲み込んでしまう。
表面上は「いい人」に見えますが、
組織は少しずつ緩んでいきます。
言うべきことを言えないリーダーのもとでは、
メンバーも「言っても意味がない」という
感覚を持ち始めます。
一貫性のないリーダー
「同ずる」リーダーは、
その場その場で言うことが変わりがちです。
昨日は「数字が全てだ」と言っていたのに、
今日は「プロセスを大切にしよう」と言う。
上からのプレッシャーがあると方針が変わり、
メンバーが振り回される。
一貫性のないリーダーのもとでは、
メンバーは「どこに向かえばいいかわからない」
という状態になります。
「和する」リーダーとは何か
孔子が言う「和する」リーダーは、
周囲の意見を無視するわけではありません。
メンバーの意見をしっかり聞く。
多様な視点を取り入れる。
でも最終的な判断は、
自分の軸に基づいて下す。
これが「和して同ぜず」の本質です。
軸を持ちながら、柔軟に関わる
「和する」リーダーは、
自分の軸を持ちながらも
メンバーの意見に耳を傾けます。
「あなたの意見はわかった。
ただ、私はこう考えている。
なぜなら〇〇だからだ」
こうした言葉が自然に出てくるリーダーは、
メンバーから信頼されます。
「この人は自分の意見を持っている」
「この人の判断には一貫性がある」
この信頼が、
チームをまとめる力になります。
言うべきことを言える
「和する」リーダーは、
波風が立ちそうでも、
言うべきことは言います。
「この方向性は違うと思う」
「そのやり方では結果が出ない」
「もっとこうしてほしい」
相手が聞きたくないことでも、
組織のために必要なことは伝える。
ただし、それは攻撃的にではなく、
相手への敬意を持ちながら伝える。
これが「和して同ぜず」の実践です。
「和する」リーダーになるために
自分の「判断の軸」を言語化する
「和する」リーダーになるためには、
まず自分の「判断の軸」を
言語化することが必要です。
「自分は何を大切にしているか」
「この組織をどこに向かわせたいか」
「メンバーに何を期待しているか」
この問いに自分の言葉で答えられると、
強い意見や圧力に流されにくくなります。
軸があるから、
ブレずにいられます。
「同意」と「同調」を区別する
「和する」リーダーは、
「同意」と「同調」を区別します。
「同意」は、
相手の意見が正しいと判断して賛成すること。
「同調」は、
相手の意見が正しいかどうかに関わらず、
場の空気に合わせて賛成すること。
「同調」は一見「和する」ように見えますが、
実は「同ずる」行動です。
「なぜ同意するのか」を
自分に問いかける習慣が、
「和する」リーダーへの道です。
メンバーの意見を聞きながら、最後は決める
「和する」リーダーは、
独断でもなく、
流されるわけでもありません。
メンバーの意見をしっかり聞いた上で、
最終的には自分が決める。
「みんなの意見を聞いた。
その上で、私はこう判断する」
この姿勢が、
リーダーとしての信頼を作ります。
まとめ
「君子は和して同ぜず、
小人は同じて和せず」
流されるリーダーと、流されないリーダーの違いは、
自分の軸を持っているかどうかです。
周囲の意見を尊重しながらも、
自分の判断軸を持ち、
言うべきことを言える。
この在り方が、
メンバーからの信頼を生み、
組織の方向性を定めます。
2500年前に孔子が言ったことは、
現代のリーダーにも
そのまま当てはまります。
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