社員のやる気を知らずに下げている、経営者・マネージャーの行動
社員のやる気は、最初からなかったわけではありません。
入社したとき、「この会社で頑張りたい」と
思っていた社員が、いつの間にかやる気を失っていく。
やる気が失われる理由は一つではありません。
仕事の内容、人間関係、組織の空気、
評価への不満、将来への不安。
さまざまなことが複雑に絡み合っています。
その中の一つとして、
経営者やマネージャーが気づかないうちにやっている
行動がやる気を下げていることがあります。
すべてがこれで解決するわけではありませんが、
自分たちの関わり方を振り返るきっかけに
なれば幸いです。
この記事では、
社員のやる気を知らずに下げている
経営者・マネージャーの行動と、
その改善方法を解説します。
やる気は「上げる」より「下げない」ことの方が大切
やる気を上げようとして
インセンティブを作る、研修をやる、評価制度を変える。
でもその前に、
やる気を下げている原因を取り除くことの方が
はるかに重要です。
穴の開いたバケツに水を注ぎ続けても、水は溜まりません。
まずどこに穴が開いているかを
確認することが必要です。
社員のやる気を下げている7つの行動
行動①:社員を比較する
「前の担当はできていたのに」
「あの人はもっと早くできていたよ」
こうした比較の言葉が、
社員のやる気を大きく下げます。
比較された社員は、
「自分はダメだ」という感覚ではなく、
「この人は自分のことを見ていない」という
感覚を持ちます。
前の担当と今の担当は、
得意なことも、育ってきた環境も、
仕事のスタイルも違います。
比較ではなく、
その人自身の変化や成長に目を向けることが
大切です。
改善方法
「先週より〇〇がうまくなっていたよ」
「この部分、以前と変わってきたね」
比較の基準を他者ではなく、
その人自身の過去に変えてみてください。
行動②:会議で特定の人の意見だけ取り上げる
会議で発言したとき、
いつも同じ人の意見だけが採用される。
自分が発言しても流される、
あるいは最初から発言しても意味がないと感じている。
こうした経験が積み重なると、
「どうせ言っても変わらない」という空気が
組織全体に広がっていきます。
発言しない社員が増えると、
会議はただの報告の場になっていきます。
改善方法
普段あまり発言しない社員に
「〇〇さんはどう思う?」と声をかけてみてください。
全員の意見を取り上げる必要はありませんが、
「聞いてもらえている」という感覚が、
次の発言につながります。
行動③:気分によって態度が変わる
社長や上司の機嫌が良い日と悪い日で、
対応が全く変わる。
「今日は機嫌が悪そうだから、
報告するのをやめておこう」
「このタイミングで相談したら怒られるかも」
こうした空気が生まれると、
社員は上司の顔色を読みながら
動くようになっていきます。
顔色を読みながら動く社員は、
自分の判断で動くことをやめていきます。
改善方法
感情のコントロールは、
マネジメントの基本です。
機嫌が悪いときでも、
社員への接し方を一定に保つことが、
社員が安心して動ける環境を作ります。
行動④:都合の悪い情報を聞こうとしない
「そんなネガティブなことを言うな」
「問題があるなら自分で解決しろ」
こうした反応が続くと、
社員は悪い情報を上に上げなくなります。
悪い情報が上に上がらない組織では、
問題が表面化したときには
すでに手遅れになっていることがあります。
また「この人には本音を言えない」という
感覚が広がると、
良い情報も上がってこなくなっていきます。
改善方法
「教えてくれてありがとう」
「それは知らなかった、もう少し聞かせて」
悪い情報を持ってきた社員に
こうした言葉を返すことで、
次も報告してくれるようになります。
行動⑤:「うちの会社はこういうもの」と変化を拒む
社員が「こうした方がいいのでは」と提案したとき、
「うちはずっとこのやり方でやってきた」
「それは無理だ」と即座に否定する。
こうした反応が続くと、
社員は提案することをやめていきます。
提案しなくなった社員は、
現状をただこなすだけになっていきます。
変化を拒む組織では、
社員の成長意欲も失われていきます。
改善方法
「なぜそう思ったの?もう少し聞かせて」
即座に否定するのではなく、
まず話を聞く姿勢を見せてください。
全ての提案を採用する必要はありませんが、
「聞いてもらえた」という経験が、
次の提案につながります。
行動⑥:社員の前で他の社員の評価をする
「あの人は仕事が遅い」
「〇〇さんは使えない」
こうした発言を、
他の社員の前でしていませんか。
聞いている社員は
「次は自分も言われるかもしれない」という
不安を感じます。
また「この人は人のことをそう見ているのか」という
不信感が生まれます。
こうした不安と不信感が、
社員のやる気を静かに奪っていきます。
改善方法
誰かへのフィードバックは、
必ず本人に直接伝えてください。
他の社員の前での評価は、
たとえポジティブなものであっても、
組織の空気を複雑にすることがあります。
行動⑦:忙しさを理由に社員と話す時間を作らない
「今忙しいから後で」
「それくらい自分で考えろ」
こうした言葉が続くと、
社員は「相談できる人がいない」という
孤立感を感じるようになります。
孤立感が続くと、
「ここで頑張る意味があるのか」という
気持ちにつながっていきます。
マネージャーや社長が忙しいのは事実です。
でも「話せる時間がない」という状態が続くと、
社員は少しずつ離れていきます。
改善方法
週に一度、15分でもいいので
社員と話す時間を確保してください。
「何かある?」という一言だけでも、
「自分のことを気にかけてもらえている」という
感覚が生まれます。
この感覚が、やる気を守ります。
振り返るだけで、変わることがある
今回挙げた7つの行動は、
どれも悪意があってやっているわけではありません。
忙しい中で、気づかないうちにやってしまっている。
でも社員側からすると、
こうした行動の積み重ねが
「ここで頑張りたい」という気持ちを
少しずつ削っていきます。
まずは自分の行動を振り返ることから
始めてみてください。
気づいた人間は、変わります。
変わった人間の周りは、変わっていきます。
やる気のある組織は、
制度や仕組みより先に、
人の関わり方から生まれていきます。
まとめ
社員のやる気を知らずに下げている
経営者・マネージャーの7つの行動は
以下の通りです。
①社員を比較する
比較ではなく、その人自身の変化に目を向ける。
②会議で特定の人の意見だけ取り上げる
「聞いてもらえている」という感覚が、発言につながる。
③気分によって態度が変わる
一定の接し方が、社員が安心して動ける環境を作る。
④都合の悪い情報を聞こうとしない
悪い情報を持ってきた社員に「ありがとう」と返す。
⑤「うちの会社はこういうもの」と変化を拒む
即座に否定せず、まず話を聞く姿勢を見せる。
⑥社員の前で他の社員の評価をする
フィードバックは必ず本人に直接伝える。
⑦忙しさを理由に社員と話す時間を作らない
週15分でも話す時間が、やる気を守る。
やる気が失われる理由はさまざまで、
これだけが原因とは限りません。
でも自分たちの関わり方を振り返ることが、
変化の入り口になることがあります。
自分の行動を振り返るのが難しいとき
ただ、自分の行動を自分で振り返るのは
難しいことがあります。
「自分はできている」と思っていても、
社員からは全く違う受け取り方を
されていることがあります。
社員が実際にどう感じているかを知るためには、
社員の本音を引き出す場が必要です。
CsMでは、まず全メンバーと対話することで、
経営者やマネージャーへの
率直な声を引き出します。
「実はあの言葉が引っかかっていた」
「もっとこうしてほしかった」
こうした本音が、
改善の本当の入り口になります。
「うちの社員はやる気がない」と感じているなら、
ぜひ一度ご相談ください。
組織づくり・人材育成でお悩みの方は、株式会社CsMの無料相談をご活用ください。
