新渡戸稲造「武士道」に学ぶ③|「仁」とは何か。強さと優しさを両立するリーダーの在り方

新渡戸稲造「武士道」に学ぶ③|「仁」とは何か。強さと優しさを両立するリーダーの在り方

「厳しくしないとメンバーは育たない」
「優しくしすぎると甘えが出る」

こうした言葉を、
マネージャーや経営者からよく聞きます。

厳しさと優しさは、
どちらかを選ばなければいけないものだと
思っていませんか。

新渡戸稲造は「武士道」の中で、
こう記しています。

「仁は愛と寛容の徳であり、
武士の中で最も高貴な徳の一つである」

武士は強さを持つ存在です。
でもその強さの中に、
人を思いやる「仁」を持つことが
真の武士の姿だと新渡戸稲造は説きました。

強いから優しくできる。
強さがあるからこそ、優しさが生きる。

これは現代のリーダーにも
そのまま当てはまります。

本記事では、「仁」を手がかりに、
強さと優しさを両立するリーダーの在り方をお伝えします。


「厳しさ」だけのリーダーが組織に与える影響

メンバーが萎縮して、挑戦しなくなる

厳しさだけのリーダーのもとでは、
メンバーは失敗を恐れて
安全な行動しか取らなくなります。

「失敗したら怒られる」という空気が
組織に漂うと、
新しいことに挑戦する人がいなくなります。

現状維持が続き、
組織の成長が止まります。

本音が言えなくなる

厳しさだけのリーダーに対して、
メンバーは本音を言えなくなります。

「こんなことを言ったら怒られる」
「弱みを見せたら評価が下がる」

こうした空気の中では、
問題が水面下に潜り続けます。
気づいたときには手がつけられない状態に
なっていることがあります。

メンバーが育たない

厳しさだけでメンバーを動かそうとすると、
メンバーは「やらされている」感覚になります。

やらされている仕事では、
自分で考えて動く力は育ちません。
指示がなければ動けない、
受け身のメンバーが増えていきます。


「仁」を持つリーダーとはどういうリーダーか

新渡戸稲造が説く「仁」は、
ただ優しいということではありません。

相手のことを深く理解しようとする姿勢。
相手の成長を本気で願う気持ち。
相手が困っているときに手を差し伸べる行動。

これが武士道における「仁」です。

メンバーのことを深く理解しようとする

「仁」を持つリーダーは、
メンバーのことを表面だけで判断しません。

「なぜこのメンバーはこういう動きをするのか」
「このメンバーは今、何に困っているのか」
「何がこのメンバーのやる気を引き出すのか」

こうしたことを理解しようとする姿勢が、
「仁」の第一歩です。

1on1でメンバーの話に耳を傾けること。
日常の声掛けを欠かさないこと。
メンバーの変化に気づこうとすること。

こうした関わりが、
メンバーに「見てもらえている」という
安心感を与えます。

メンバーの成長を本気で願う

「仁」を持つリーダーは、
メンバーの成長を本気で願います。

目先の数字のためではなく、
そのメンバーの将来のために
厳しいことを言える。

「あなたにはもっとできると思っているから、
あえて言います」

この言葉の裏に「仁」があるとき、
メンバーはそれを感じ取ります。
厳しい言葉でも、
受け取り方が変わります。

強さがあるから、優しさが生きる

「仁」は弱さではありません。

強さを持つリーダーが優しさを持つとき、
その優しさは本物の力を持ちます。

軸がないリーダーの優しさは、
ただの甘さになります。
でも自分の軸を持ち、
必要なときに厳しいことを言えるリーダーの優しさは、
メンバーに深く届きます。

強さと優しさは対立するものではありません。
強さがあるからこそ、
優しさが生きるのです。


「仁」を組織に根づかせるために

メンバーの話を、まず聞く

「仁」を実践する第一歩は、
メンバーの話をまず聞くことです。

アドバイスや評価より先に、
「今どういう状態なのか」を理解しようとする。

1on1の最初に
「最近どう?何か困っていることある?」と
聞くだけでいいです。

この一言が、
「この人は自分のことを気にかけてくれている」という
感覚をメンバーに作ります。

メンバーの成長を言葉にして伝える

「仁」を持つリーダーは、
メンバーの成長を見逃しません。

小さな変化でも、
言葉にして伝えます。

「先週より提案の組み立て方がよくなっている」
「あの場面での判断、よかったと思う」

こうした言葉が、
メンバーに「成長している実感」を与えます。
その実感が、次の挑戦への力になります。

困っているメンバーに手を差し伸べる

「仁」の実践として、
困っているメンバーに気づいて
手を差し伸べることがあります。

「最近元気がないな」と感じたとき、
「大丈夫?何かあった?」と声をかける。

この一言が、
孤立しかけていたメンバーを
引き戻すことがあります。


まとめ

「仁は愛と寛容の徳であり、
武士の中で最も高貴な徳の一つである」

新渡戸稲造が説いた「仁」は、
現代のリーダーにもそのまま当てはまります。

厳しさだけでは、
メンバーは萎縮して本音が言えなくなります。

強さを持ちながら、
メンバーを深く理解しようとし、
成長を本気で願い、
困っているときに手を差し伸べる。

強さがあるからこそ、優しさが生きる。
この「仁」の精神が、
メンバーが安心して挑戦できる組織を作ります。


営業組織の課題でお悩みの方は、株式会社CsMの無料相談をご活用ください。

上部へスクロール

このコラムが気になった方へ