指示に意味を持たせるマネジメント|部下の成長と組織の成果をつなぐ伝え方

指示に意味を持たせるマネジメント|部下の成長と組織の成果をつなぐ伝え方

「このリストに電話してアポを取っておいて」
「この提案書を直しておいて」
「今週中にこの顧客をフォローしておいて」

指示を出す側は伝えたつもりになっている。
でもメンバーは「なぜこれをやるのか」がわからないまま、
言われた通りに動くだけになっています。

指示の意味を伝えずに指示だけを出し続けた組織で、
メンバーが機械のように動いている場面を
現場で何度も見てきました。

そして「なぜこれをやるのか」を伝えた途端、
メンバーの表情や動き方が明らかに変わる場面も、
何度も見てきました。

指示は、出し方で結果が変わります。
本記事では、指示に意味を持たせることで
部下の成長と組織の成果をつなぐ伝え方をお伝えします。


指示だけを出し続けると何が起きるか

メンバーが機械的に動くだけになる

「このリストに電話してアポを取っておいて」

この指示を受けたメンバーは、
リストに電話してアポを取ります。
でも「なぜこのリストなのか」
「アポを取った先に何があるのか」
「自分がどう動けば質が上がるのか」は
考えません。

指示された通りにやれば問題ない。
それ以上のことを考える理由がない。

この状態が続くと、
メンバーは指示がなければ動けなくなっていきます。
「次何をすればいいですか?」という言葉が増えるのは、
指示の意味を伝えてこなかった結果のことが多いです。

メンバーが成長しない

意味のわからない指示を繰り返してもメンバーは育ちません。

「なぜこの顧客にこのタイミングでアプローチするのか」
「この提案書で何を伝えようとしているのか」
「このフォローが成約にどうつながるのか」

こうした「なぜ」を理解しながら動くメンバーと、
ただ指示をこなすだけのメンバーでは、
半年後・1年後の成長に大きな差が生まれます。

組織の目標がメンバーに届かない

経営者やマネージャーが描いている組織の目標と、
メンバーが日々やっていることの間に
つながりが見えていない組織では、
メンバーは「自分の仕事が何のためになっているか」を
感じられません。

この感覚が積み重なると、
「やらされ感」が生まれ、
いずれ離職につながっていきます。


指示に意味を持たせるための3つの視点

指示に意味を持たせるとは、
一つの指示に対して3つの「なぜ」を伝えることです。

① なぜこれをやるのか(業務の目的)

「このリストに電話してアポを取っておいて」ではなく、

「先月接触したけど検討中で止まっている顧客リストがあります。
この時期に再接触することで、
年度末前に検討を再開してもらえる可能性が高いです。
来週中にアポを取ってほしいです」

「なぜこの業務をやるのか」が伝わることで、
メンバーは目的を理解して動けるようになります。
目的がわかると、自分なりに工夫する余地も生まれます。

② これはあなたの成長にどうつながるか(個人の成長)

「この提案書を直しておいて」ではなく、

「この提案書、顧客の課題との対応関係がまだ弱いです。
ここを整理する力は、あなたが今一番伸ばすべきスキルです。
どう整理すれば顧客に伝わるか、
自分なりに考えてから直してみてください」

「この指示があなたの成長にどうつながるか」を伝えることで、
メンバーは業務を「自分ごと」として捉えられるようになります。
やらされているのではなく、自分の成長のためにやっている
という感覚が生まれます。

③ これが組織にどう貢献するか(組織への貢献)

「この顧客をフォローしておいて」ではなく、

「この顧客が継続してくれると、
今月の目標達成の大きな柱になります。
チームとして今一番大切にすべき顧客です。
丁寧にフォローしてほしいです」

「自分の行動が組織全体にどうつながるか」が見えると、
メンバーは自分の仕事の意味を実感できます。
この実感が、主体的に動く動機になります。


指示に意味を持たせるために取り組んだこと

指示を出す前に「この指示が部下の成長にどうつながるか」を自分で考える習慣をつけた

指示を出す前に、
「この指示はこのメンバーの成長にどうつながるか」を
一度考えてから伝えることを習慣にしました。

この習慣がつくと、
指示の伝え方が自然と変わっていきます。

指示を出すときに「なぜこれをお願いするのか」を必ず添えるようにマネージャーに指導した

マネージャーに対して、
指示を出すときに必ず「なぜ」を添えることを
意識させました。

最初は「なぜを説明するのが面倒」という反応もありましたが、
「なぜ」を伝えることで
メンバーへの確認や修正が減ることを体験すると、
自然と習慣になっていきました。

指示の意味を伝えた上で、メンバー自身に「これは自分の成長にどうつながるか」を考えてもらった

「この指示があなたの成長にどうつながると思いますか?」
と問いかけることで、
メンバー自身が意味を考える習慣が育ちます。

マネージャーから一方的に伝えるより、
メンバー自身が考えた答えの方が、
行動の変化につながります。

指示の意味とともに、それが組織全体の目標とどうつながるかを共有した

一つひとつの指示が
組織全体の目標とどうつながるかを伝えることで、
メンバーは「自分の仕事が組織に貢献している」という
実感を持てるようになります。


指示に意味を持たせたとき、現場に何が起きるか

「なぜこれをやるのか」を伝えた途端、
メンバーの表情や動き方が明らかに変わる場面を
現場で何度も見てきました。

目が変わります。
「言われたからやる」という顔から、
「自分がやる理由がわかった」という顔に変わります。

そして指示の意味を理解したメンバーが、
指示以上の動きを自分で考えてやり始めます。

「アポを取るだけでなく、
事前に顧客の状況を調べてから電話しました」
「提案書を直すついでに、
顧客が気にしそうな部分を一箇所追加しました」

こうした言葉が出てきたとき、
マネジメントが変わり始めた手応えがあります。


よくある質問(FAQ)

Q. 一つひとつの指示に「なぜ」を添えると、時間がかかりませんか?

A. 最初は少し時間がかかります。
ただ「なぜ」を伝えることで、
メンバーからの確認や修正の依頼が減っていきます。
短期的には時間がかかっても、
長期的にはマネジメントの負担が減ることがほとんどです。
また「なぜ」を考える習慣がつくと、
伝えること自体が速くなっていきます。

Q. 「なぜ」を伝えても、メンバーが「はい」と言うだけで変わりません。

A. 伝えるだけでなく、
「この指示があなたにとってどんな意味があると思いますか?」
と問い返すことが有効です。
マネージャーから一方的に伝えるより、
メンバー自身が考えた答えの方が
行動の変化につながります。

Q. 全員に同じように「なぜ」を伝える必要がありますか?

A. メンバーによって、響く「なぜ」は違います。
成長に関心が高いメンバーには個人の成長との紐づけが刺さる。
チームへの貢献を大切にするメンバーには組織への貢献が刺さる。
一人ひとりの動機に合わせた「なぜ」を伝えることで、
より深く響くようになります。


まとめ

指示をただ出すだけでは、
メンバーは機械的に動くだけになります。
「なぜこれをやるのか」
「これがあなたの成長にどうつながるか」
「これが組織にどう貢献するか」
この3つを伝えることで、
メンバーは指示を自分ごととして受け取り、
指示以上の動きを自分で考えてやり始めます。
指示は、出し方で結果が変わります。


営業組織の課題でお悩みの方は、株式会社CsMの無料相談をご活用ください。

上部へスクロール

このコラムが気になった方へ