営業組織の採用と育成、どちらを先にすべきか|今いる人材で組織を強くする考え方

営業組織の採用と育成、どちらを先にすべきか|今いる人材で組織を強くする考え方

「もう少し人を採用すれば、
組織の問題が解決するんじゃないかと」

こうした言葉を経営者からよく聞きます。
人が足りないから数字が出ない。
優秀な人が来れば組織が変わる。
そう考えるのは自然なことです。

でも採用を増やす前に、
整えるべきことがあります。

育成の仕組みと、
メンバーが活躍できる環境です。

この2つがない状態で採用を増やしても、
せっかく入った人材がすぐに辞めてしまう——
そういった場面を現場で何度も見てきました。

本記事では、採用と育成どちらを先にすべきかという問いに対して、
現場で見てきた経験をもとにお伝えします。


採用を先にすると何が起きるか

育成の仕組みがないまま採用を増やすと、すぐ辞めてしまう

採用コストをかけて人を採っても、
育成の仕組みがない組織では
入社したメンバーが何をすればいいかわからないまま
放置されることがあります。

「聞かないと教えてもらえない」
「自分がどう成長すればいいかわからない」
「この組織にいても伸びる気がしない」

こうした感覚が積み重なると、
せっかく採用した人材が早期に離職していきます。

採用コストが無駄になるだけでなく、
残ったメンバーの負担も増え、
組織全体が疲弊していきます。

「採用すれば解決する」は、根本的な課題を先送りにする

人が足りないから数字が出ない——
この認識が正しいケースもあります。

でも多くの場合、
「今いる人材の力が十分に発揮されていない」
「育成の仕組みがないため、メンバーが育っていない」
「活躍できる環境が整っていない」
という課題が先にあります。

採用で人を増やしても、
この根本的な課題が解決されなければ、
同じ問題が繰り返されるだけです。


先に整えるべき2つのこと

① 育成の仕組み

採用より先に整えるべき一つ目は、
育成の仕組みです。

「誰が入っても育つ仕組み」がない組織では、
採用した人材が戦力になるまでに
時間がかかりすぎます。

1on1の仕組み、フィードバックの文化、
振り返りと改善のサイクル——
これらが整っていると、
採用した人材が早期に戦力化できるようになります。

育成の仕組みがある組織に採用すると、
入社したメンバーは「ここでは育てもらえる」という
安心感を持てます。
この安心感が、定着率の改善にもつながります。

② メンバーが活躍できる仕組み

育成だけでなく、
メンバーが活躍できる環境を整えることも
採用より先に必要です。

一人ひとりの強みが活きる役割設計、
貢献を実感できる評価の仕組み、
自分で考えて動ける裁量——

こうした環境がない組織では、
せっかく採用した人材も
「自分の力を発揮できない」と感じて離れていきます。

逆にこの環境が整っていると、
今いるメンバーの力が引き出されて、
採用しなくても組織が強くなっていくことがあります。


今いる人材の力を引き出すと、何が起きるか

育成の仕組みとメンバーが活躍できる環境を整えた組織では、
採用しなくても組織が強くなった事例があります。

「このメンバー、こんな力があったのか」という
経営者やマネージャーの気づきが生まれます。

強みを活かせる役割に変えた途端、
パフォーマンスが急変するメンバーがいます。
1on1を通じて本音が出てきて、
ずっと抱えていた課題が解決されるメンバーがいます。

「人が足りない」と思っていた組織が、
今いる人材の力を引き出すことで、
採用しなくても目標を達成できるようになる——
こうした変化を現場で見てきました。


採用のタイミングはいつか

育成の仕組みとメンバーが活躍できる環境を整えた上で、
さらに組織を拡大したいというタイミングで採用する。

この順番が、採用した人材を活かせる組織を作ります。

逆に言えば、育成の仕組みがない状態での採用は、
コストがかかるだけでなく、
離職率を上げ、組織を疲弊させるリスクがあります。

「採用すれば解決する」ではなく、
「今いる人材の力を最大化してから採用する」——
この発想の転換が、
長期的に強い営業組織を作る道だと考えています。


よくある質問(FAQ)

Q. 育成の仕組みを整える前に、どうしても採用が必要な場合はどうすればいいですか?

A. 採用と育成の仕組みづくりを並行して進めることは可能です。
ただその場合も、採用した人材を受け入れるための
最低限の育成の仕組みを先に作ることをお勧めします。
「入社後の最初の3ヶ月をどう過ごしてもらうか」を
設計しておくだけでも、早期離職のリスクを大きく減らせます。

Q. 今いる人材の力を引き出すには、何から始めればいいですか?

A. まず一人ひとりと1on1で話すことから始めてください。
「今の仕事で一番やりがいを感じる場面はどこか」
「逆に一番難しいと感じることは何か」
この2つを聞くだけで、
その人の強みと課題が見えてきます。
そこから役割の見直しや育成の方向性が決まっていきます。


まとめ

採用より先に整えるべきことがあります。
育成の仕組みと、メンバーが活躍できる環境です。

育成の仕組みがないまま採用を増やしても、
入った人材がすぐ辞めてしまうだけです。
今いる人材の力を引き出すことで、
採用しなくても組織が強くなることがあります。

採用は組織を加速させるものであって、
課題を解決するものではありません。
育成の仕組みと活躍できる環境を先に整えた上で、
採用のタイミングを考えてみてください。


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