マネージャーの本当の仕事とは|メンバーを動かして目標を達成させる力の育て方
「プレイヤーとして優秀だったから、
マネージャーに昇進させた」
この判断が、組織に思わぬ影響を与えることがあります。
プレイヤーとして結果を出す力と、
マネージャーとしてメンバーを動かす力は、
全く別のスキルです。
自分が動いて成果を出すことに慣れてきた人が
マネージャーになると、
「メンバーに任せるより自分がやった方が早い」
という判断をしがちです。
でも、それはマネージャーの仕事ではありません。
マネージャーの本当の仕事は、
「どうやったら目標を達成できるかを考え、
メンバーに目標を達成するという意識を持たせ、
メンバーを動かし、目標を達成させること」です。
本記事では、マネージャーの本当の仕事の定義と、
その力を育てるための方法をお伝えします。
マネージャーの育成を支援する中で見てきたこと
プレイヤーとして優秀だったが、マネジメントができていなかった
支援に入った組織で最もよく見るパターンです。
営業成績が良かったメンバーが
マネージャーに昇進する。
でも「自分がどう売るか」は知っていても、
「メンバーがどう売れるようにするか」は
わからない。
結果として、自分で動き続けるマネージャーになる。
チームの数字は自分の数字で支えている。
でもメンバーは育たない。
「マネージャーがいないと動けない組織」が出来上がっていきます。
プレイング業務に追われ、育成に時間を使えていなかった
「メンバーを育てないといけないとわかっているんですが、
自分の業務で手一杯で」
こうした言葉をマネージャーからよく聞きます。
プレイング業務を抱えながら
マネジメントもこなそうとすると、
どちらも中途半端になります。
育成に時間を使えないマネージャーのもとでは、
メンバーは育ちません。
育たないから、マネージャーが自分で動く。
自分で動くから、育成の時間がさらになくなる。
この悪循環が続いていきます。
「メンバーを動かす」より「自分が動く」方が早いと思っていた
「メンバーに説明して動かすより、
自分でやった方が早いし確実なんですよね」
この感覚は、短期的には正しいことがあります。
でも長期的には、組織の成長を止めます。
自分が動き続けるマネージャーのもとでは、
メンバーは考える機会を奪われます。
「指示を待てばいい」という文化が生まれ、
マネージャーへの依存が深まっていきます。
数字だけ追って、目標達成のための思考がなかった
「今月の数字どう?」「達成率は?」——
数字の確認だけが繰り返される1on1では、
メンバーは「どうすれば達成できるか」を
自分で考えません。
マネージャー自身が「目標を達成するために
何をすべきか」を考え、
その思考をメンバーと共有することが
マネージャーの仕事の核心です。
マネージャーの本当の仕事とは何か
マネージャーの仕事は3つに整理できます。
① どうやったら目標を達成できるかを考える
数字を確認するだけでなく、
「この目標を達成するために、
チームとして何をすべきか」を
マネージャー自身が考える。
「今月あと10件成約が必要なら、
どの顧客に、いつ、どんなアプローチをするか」
という具体的な思考が、
マネジメントの出発点です。
② メンバーに目標を達成するという意識を持たせる
目標はマネージャーだけのものではなく、
チーム全員のものです。
「この目標を達成することが、
あなたの成長にどうつながるか」
「チームとしてなぜこの数字が必要か」
こうした「なぜ」を伝えることで、
メンバーは目標を自分ごととして
受け取るようになります。
③ メンバーを動かし、目標を達成させる
メンバー一人ひとりの状況と強みを把握した上で、
「誰に何をやってもらうか」を設計する。
そして動いた結果を1on1で振り返り、
次の行動につなげる。
これがマネージャーの本当の仕事です。
自分が動くことではありません。
マネージャーの育成に取り組んだこと
① マネージャー自身に「マネージャーの仕事は何か」を再定義させた
まずマネージャー自身に、
「あなたの仕事は何だと思いますか?」と問いかけます。
「数字を達成すること」と答えるマネージャーが多いですが、
「自分が動いて数字を作ること」と
「メンバーを動かして数字を作ること」は全く違います。
この違いを理解することが、
マネジメントの変化の出発点になります。
② メンバーを動かすための1on1の活用方法を指導した
1on1を「報告を聞く場」から
「メンバーが自分で考えて動くための場」に変える指導をしました。
「今週どうだった?」ではなく、
「今週の目標に対して、あなたはどう動きますか?」
「うまくいかなかった場面で、次はどうしますか?」
問いかけ方を変えるだけで、
メンバーの思考が変わります。
③ マネージャー自身が「目標達成のために何が必要か」を考える習慣をつけさせた
週次でマネージャーと対話しながら、
「今週のチームの状況をどう見ていますか?」
「目標達成のために、今週何をすべきだと思いますか?」
と問いかけ続けることで、
マネージャー自身が考える習慣が育っていきます。
マネージャーの育成が進んだとき、現場に何が起きるか
マネージャーの育成が進んだとき、
現場では印象的な変化が起きました。
マネージャーがメンバーの育成に
時間を使うようになりました。
「自分がやった方が早い」から、
「メンバーが動けるようにする方が長期的にいい」
という発想に変わっていきます。
メンバーが自分で考えて動くようになり、
マネージャーの負担が減りました。
メンバーが育つと、
マネージャーが一つひとつ指示を出さなくても
チームが動くようになります。
チーム全体の数字が安定して上がりました。
マネージャー一人の数字に依存しない組織になると、
チーム全体の数字が安定します。
そして最も印象的だったのは、
マネージャー自身が「自分が動く」から
「メンバーを動かす」に変わったことを実感し、
表情が変わった瞬間です。
「こういうことか、とわかった気がします」
という言葉とともに、
顔つきが変わるその瞬間が、
支援の中で一番手応えを感じる場面です。
よくある質問(FAQ)
Q. プレイング業務もあるマネージャーに、どうメンバーの育成時間を作らせればいいですか?
A. まず「マネージャーの仕事の優先順位」を整理することから始めます。
プレイング業務をメンバーに移譲できるものから渡していき、
マネージャーがマネジメントに集中できる時間を
意図的に作ることが必要です。
最初から完璧にする必要はなく、
週に30分でも「メンバーのために使う時間」を
確保することから始めることをお勧めします。
Q. マネージャーが「自分でやった方が早い」という姿勢を変えられません。
A. この姿勢を変えるには、
「メンバーを育てることが、長期的に自分を楽にする」
という実感を持ってもらうことが有効です。
一つだけメンバーに任せてみて、
うまくいった経験を積み重ねることで、
「任せる」という選択肢が生まれていきます。
Q. マネージャーの育成は、誰がやればいいですか?
A. 本来は経営者や上位のマネージャーが担うべきですが、
日々の業務に追われる中で
マネージャーの育成まで手が回らないケースがほとんどです。
外部の第三者が入ることで、
客観的な視点からマネージャーの課題を把握し、
1on1を通じて育成を進めることができます。
これがCsMが支援に入る理由の一つです。
まとめ
マネージャーの本当の仕事は「自分がやること」ではありません。
「どうやったら目標を達成できるかを考え、
メンバーに目標を達成するという意識を持たせ、
メンバーを動かし、目標を達成させること」——
これがマネージャーの仕事です。
プレイヤーとして優秀だった人が
マネージャーになるとき、
この転換が最も難しく、最も重要です。
CsMはこのマネージャーの育成を、
1on1を通じた伴走型の支援で行っています。
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