営業組織の「やらされ感」をなくす方法|自分で考えて動くメンバーの育て方
「うちのメンバー、言われたことしかやらないんですよね」
こうした言葉を、経営者やマネージャーからよく聞きます。
指示されたからやる、言われなければやらない。
指示以上のことは絶対にやらない。
この状態を見て「最近の若手は主体性がない」と
感じる方も多いと思います。
でも現場を観察すると、
多くの場合、原因はメンバーの意欲ではなく
マネジメントの側にあります。
数字だけを追うマネジメントが、
メンバーの「やらされ感」を生んでいることが
ほとんどです。
本記事では、「やらされ感」が生まれる本当の理由と、
メンバーが自分で考えて動くようになる方法をお伝えします。
「やらされ感」のある組織で見てきたこと
指示されたからやる、言われなければやらない
「やらされ感」のある組織では、
メンバーの行動が指示の範囲内で止まります。
「アポを10件取ってください」と言われれば10件取る。
でも「なぜ10件なのか」「どうすれば質が上がるか」は
自分では考えない。
指示された最低限のことをこなすだけで、
それ以上は動かない。
これはメンバーが怠慢なのではありません。
「自分で考えて動いても、どうせ評価されない」
「言われた通りにやっていれば問題ない」という
空気が組織の中にあるのです。
数字だけ追うマネジメントが「やらされ感」を生んでいた
「今月の数字どう?」「アポは何件取った?」
「達成率は?」——
こうした確認だけが繰り返される組織では、
メンバーは「数字を出す機械」として扱われている感覚を持ちます。
自分がなぜこの仕事をしているのか。
自分の行動がどんな意味を持っているのか。
そうした問いに向き合う機会がないまま、
ただ数字を追い続ける。
この状態が「やらされ感」の正体です。
離職の裏側に「やらされ感」があった
支援に入って1on1を重ねると、
すでに辞めたメンバーや辞めようとしているメンバーから
こうした言葉が出てくることがあります。
「やらされている感じがずっとあって」
「何のためにやっているのかわからなくなってきて」
「数字だけ見られている気がして」
離職の理由として「給与」や「人間関係」が
表に出ることが多いですが、
その裏側に「やらされ感」が潜んでいることは
少なくありません。
「やらされ感」をなくすために取り組んだこと
① メンバー自身が「なぜこの仕事をやるのか」を言語化できる環境を作る
「やらされ感」の根本は、
「なぜやるのか」が自分の言葉で言えないことにあります。
1on1で「この仕事を通じて、あなたは何を達成したいですか?」
「この目標はあなたにとってどんな意味がありますか?」
と問いかけることで、
メンバーは自分なりの「なぜ」を考え始めます。
誰かに言われた目標ではなく、
自分ごととして捉えた目標は、
行動の質を変えます。
② 指示ではなく問いかけで、メンバー自身が目的を考える機会を作る
「アポを10件取ってください」という指示から、
「今月の目標を達成するために、あなたはどう動きますか?」
という問いかけに変える。
答えを与えるのではなく、
考える機会を与えることで、
メンバーは「自分で決めた行動」として動けるようになります。
自分で決めた行動には、「やらされ感」は生まれません。
③ メンバーの強みや好きを役割に反映させ、「自分の仕事」と感じられる環境を作る
「やらされ感」が生まれやすいのは、
自分の強みや好きと関係のない業務を
やらされているときです。
1on1でメンバーの強みや好きを把握して、
それを役割に反映させることで、
「これは自分の仕事だ」という感覚が生まれます。
その感覚が、主体的に動く動機につながります。
④ 成果と評価の「なぜ」を伝え、貢献の実感を作る
「よくできました」という評価だけでは、
メンバーは「何が良かったのか」がわかりません。
「あの提案書が刺さったのは、顧客の課題を的確に捉えていたから」
「今月の数字が伸びたのは、あなたのヒアリングの質が上がったから」
こうした「なぜ」を伝えることで、
メンバーは自分の行動が組織に貢献していることを実感できます。
貢献の実感が、次の主体的な行動につながります。
「やらされ感」がなくなったとき、現場に何が起きるか
「やらされ感」がなくなったとき、
現場では4つの変化が同時に起きました。
メンバーが自分からアイデアや改善案を出すようになりました。
「こういうアプローチを試してみたいんですが」
「この部分、こう変えたらどうでしょう」
こうした言葉が出始めたとき、
組織の空気が変わった手応えがあります。
指示待ちが減り、自分で考えて動くメンバーが増えました。
「次何をすればいいですか?」から
「次はこれをやろうと思っています」への変化は、
マネジメントの負担を大きく減らします。
離職率が下がり、メンバーの定着率が改善しました。
「やらされ感」がなくなることで、
「ここで働き続けたい」という感覚が生まれます。
定着率の改善は、採用コストの削減にも直結します。
そして数字や業績が上がりました。
主体的に動くメンバーが増えると、
行動の質と量が変わります。
「やらされ感」のある組織と、
主体的に動く組織では、
同じ人数でも出せる成果が変わります。
よくある質問(FAQ)
Q. 「やらされ感」をなくそうとしたら、「何をすればいいかわからない」と言われました。
A. 「やらされ感」が長く続いた組織では、
メンバーが自分で考える習慣を失っていることがあります。
いきなり「自由にやっていい」ではなく、
「今週一つだけ、自分で決めてみてください」という
小さな問いかけから始めることが有効です。
小さな成功体験を積み重ねることで、
自分で考えて動く習慣が育っていきます。
Q. 問いかけを増やしたら、会議や1on1の時間が増えてしまいました。
A. 最初は時間がかかることがあります。
ただ、メンバーが自分で考えて動くようになると、
マネージャーへの相談や確認が減っていきます。
短期的には時間がかかっても、
長期的にはマネジメントの負担が減ることがほとんどです。
Q. 数字を追うことをやめると、業績が下がりませんか?
A. 数字を追うことと、
「やらされ感」をなくすことは矛盾しません。
数字の確認は続けながら、
「なぜその数字を追うのか」「どうすれば達成できるか」を
メンバー自身が考えられる環境を作ることが大切です。
数字の管理と主体性の育成は、
両立できます。
まとめ
「指示されたからやる、言われなければやらない」という状態は、
メンバーの意欲の問題ではありません。
数字だけを追うマネジメントが、
「やらされ感」を生み出しています。
メンバーが「なぜやるのか」を自分の言葉で言えるようにすること。
指示ではなく問いかけで、考える機会を作ること。
強みを役割に反映させ、貢献の実感を作ること。
この積み重ねが、自分で考えて動くメンバーを育てます。
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