好きは替えのきかない長所|好きを役割にすると組織が成長する理由
「好きなことを仕事にするのは難しい」とよく言われます。
でも現場で見ていると、「好き」を仕事や役割にできているメンバーと
そうでないメンバーとでは、成果に大きな差が生まれています。
好きだから、苦にならずに続けられる。
続けるから、どんどん深くなる。
深くなるから、得意になる。
得意になるから、成果が出る。
この流れが自然に起きるのが、「好き」の力です。
スキルは後から訓練で身につけられますが、
「好き」という感情は外から作ることができません。
だからこそ「好き」は、替えのきかない長所なのです。
本記事では、「好き」を起点にした育成の考え方と、
メンバー一人ひとりの「好き」を役割にすることで
組織全体が成長していく仕組みを解説します。
「好き」が生み出す力を現場で感じた4つの場面
支援先の現場で、「好き」の力を強く感じた場面があります。
「好き」と「得意」が一致しているメンバーは、指示しなくても動いていた
商談の準備を誰よりも丁寧にやっている。
顧客のことを自分で調べて、会議に臨んでいる。
「なぜそこまでやるんですか?」と聞くと、
「好きだからついやってしまうんです」と答える。
こうしたメンバーは、マネージャーが指示しなくても動いています。
好きなことをやっているとき、人は自然と深く関わります。
その深さが、いつの間にか「得意」になっていくのです。
「好き」を活かせる役割に変えた途端、パフォーマンスが急変したメンバーがいた
ある支援先で、成果が伸び悩んでいるメンバーがいました。
話を聞くと、担当している業務が「あまり好きではない」とのこと。
試しに、本人が「好き」と言っていた顧客との関係構築を
中心とした役割に変えてみました。
数週間後、そのメンバーのパフォーマンスが急激に上がりました。
同じ人間が、同じチームで、役割を変えただけで。
「好き」を活かせる環境がいかに重要かを、
この経験で強く感じました。
「好き」を持てない仕事を続けていたメンバーが、離職していった
逆のケースもよく見ます。
「好き」と思えない仕事を、義務感だけで続けているメンバーは、
じわじわと疲弊していきます。
数字が悪いわけではない。でも表情が暗い。
1on1で話すと「この仕事を続ける意味がわからない」という言葉が出てくる。
「好き」を持てない仕事は、続きません。
離職の裏側に、この感覚が潜んでいるケースは少なくありません。
「好き」を問うと、メンバー自身が気づいていなかった強みが見えた
「好きなことは何ですか?」と1on1で聞くと、
意外な答えが返ってくることがあります。
「人の話を聞くことが好きです」
「資料を作り込むのが好きです」
「新しいことを調べるのが好きです」
こうした「好き」を掘り下げると、
本人も気づいていなかった強みが見えてきます。
「人の話を聞くのが好き」なメンバーは、
ヒアリング力が高いことが多い。
「資料を作り込むのが好き」なメンバーは、
提案の精度が高いことが多い。
「好き」は、強みの入口です。そして強みは、得意になっていきます。
「好き」が得意を生み、得意が成果を生む
「好き」と「得意」は、対立するものではありません。
「好き」が「得意」を生み出す流れがあります。
好きだから、苦にならずに続けられる。
続けるから、どんどんやりたくなる。
やりたいから、自然と深く追求する。
深く追求するから、得意になっていく。
得意になるから、成果が出る。
この流れを組織の中で意図的に作ることが、
育成の質を大きく変えます。
苦手なことを無理に続けさせる育成では、
この流れは生まれません。
苦手なことは続けることが苦痛になり、
深く追求する気持ちも生まれにくい。
だから得意にはなりにくく、成果にもつながりにくいのです。
「好き」は替えがきかないから強い
スキルは後から身につけられます。
知識は勉強すれば増えます。
でも「好き」という感情は、外から与えることができません。
誰かに「これを好きになりなさい」と言っても、
好きになれるものではありません。
だからこそ、本人の中にある「好き」は、
他の誰にも真似できない、替えのきかない長所になります。
メンバーの「好き」を引き出して役割にする方法
では、どうやってメンバーの「好き」を引き出し、
役割に活かせばいいのでしょうか。
まず仕事以外の「好き」から話す
いきなり「仕事で好きなことは?」と聞いても、
答えにくいメンバーは多いです。
まず「趣味や好きなことは何ですか?」という
仕事以外の「好き」から話を始めます。
そこから「その好きなところって、仕事のどこかに似ていますか?」
と問いかけることで、
仕事の中にある「好き」が自然に見えてきます。
「好きなことは何ですか?」と直接聞く
関係性ができてきたら、直接聞くことも有効です。
「この仕事の中で、一番好きな場面はどこですか?」
「どんな商談のとき、一番楽しいと感じますか?」
こうした問いに答えることで、
メンバー自身が自分の「好き」を言語化できるようになります。
うまくいった体験を深掘りして「好き」を探す
「最近うまくいった商談はどんな場面でしたか?」と聞き、
その体験を深掘りしていくと、
「好き」が隠れていることがあります。
「あの商談、楽しかったです」という言葉が出たとき、
「どこが楽しかったですか?」と問い返す。
その答えの中に、本人も気づいていなかった「好き」があります。
「好き」を把握したら、役割に反映させる
「好き」を引き出しただけでは意味がありません。
それを実際の役割や担当業務に反映させることが大切です。
ヒアリングが好きなメンバーには、ヒアリングを中心に動かす。
提案書を作り込むのが好きなメンバーには、提案フェーズを任せる。
関係構築が好きなメンバーには、既存顧客のフォローを担当させる。
「好き」を役割にすることで、
メンバーは「自分の好きなことで組織に貢献できている」という
実感を持ちながら動けるようになります。
全員の「好き」が役割になると、組織はどう変わるか
メンバー一人ひとりの「好き」が役割につながったとき、
組織全体に4つの変化が起きました。
「好き」を活かしたメンバーが、
自分らしい営業スタイルを確立しました。
「誰かの真似」ではなく「自分の強みを活かしたやり方」で
成果を出せるようになると、
メンバーは自信を持って動けるようになります。
「好き」が仕事のモチベーションに直結し、
離職率が下がりました。
「この仕事を続ける意味がわからない」という感覚がなくなり、
「自分の好きなことで貢献できている」という実感が
定着につながっていきます。
「好き」を活かした役割で、成果が大きく上がりました。
同じメンバーが、役割を変えるだけで
パフォーマンスが急変するケースを、現場で何度も見てきました。
そしてチーム内でお互いの「好き」を認め合う文化が生まれました。
「あの人はあれが好きだから得意」という理解が生まれると、
チーム全体でお互いの強みを活かし合えるようになります。
それぞれの「好き」が組み合わさることで、
組織全体の成果がどんどん上がっていくのです。
よくある質問(FAQ)
Q. 「好き」を優先すると、チームの業務バランスが崩れませんか?
A. 「好き」だけをやらせることが目的ではありません。
まず全員の「好き」を把握した上で、
できる限りそれを活かせる役割を設計することが大切です。
全員が「好き」だけをやれる組織は難しいかもしれませんが、
「好き」の比率を上げることはできます。
その比率を少しずつ高めることが、
モチベーションと成果の両方を上げていきます。
Q. メンバーが「好きなことがわからない」と言います。どうすればいいですか?
A. 「好きなことがわからない」は、
これまで「好き」を考える機会がなかっただけのことが多いです。
「時間を忘れてやっていたことは何ですか?」
「やっていて苦にならないことは何ですか?」
という問いに変えると、答えやすくなります。
「好き」は一度の問いで見つかるものではなく、
1on1を重ねる中で少しずつ見えてくるものです。
Q. 「好き」を役割にしたいが、組織の都合で難しい場合はどうすればいいですか?
A. 完全に一致させることが難しい場合でも、
「好き」の要素を業務の一部に取り入れることはできます。
例えばヒアリングが好きなメンバーに、
週1回だけ顧客インタビューを担当させるだけでも
モチベーションは変わります。
100%ではなくても、「好き」の比率を少しずつ上げていく
という発想が現実的な進め方です。
まとめ
好きだから苦にならずに続けられる。
続けるからどんどんやりたくなる。
やりたいから深く追求する。
深く追求するから得意になる。
得意になるから成果が出る。
この流れが、「好き」の力です。
メンバー一人ひとりの「好き」を引き出し、
それを役割に反映させること。
全員の「好き」が組み合わさったとき、
組織全体の成果はどんどん上がっていきます。
「好き」は替えのきかない長所です。
そしてその長所を活かす組織が、長期的に強い組織になります。
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