中小企業の営業組織の作り方|今いる人材で強くする3つのステップ

中小企業の営業組織の作り方|今いる人材で強くする3つのステップ

「もっと人を採用すれば、営業組織が強くなると思っていました」
支援を始めた経営者から、こうした言葉をよく聞きます。
採用は確かに選択肢の一つです。
ただ、今いるメンバーが力を発揮できていない状態のまま人を増やしても、
同じ問題が規模を拡大して繰り返されるだけです。
営業組織を本当に強くするには、採用よりも先にやるべきことがあります。
現状を正確に把握し、目指す姿を明確にし、
現場の本音を拾うこと——この3つが、
営業組織づくりの確かな出発点になります。
本記事では、今いる人材で営業力を最大化するための
組織づくりの進め方を解説します。


「採用を増やせば解決する」という誤解

営業組織に課題を感じている経営者が、
最初に考える解決策は採用であることが多いです。

「優秀な営業マンが入れば変わる」
「人数が増えれば売上も増える」

この考え方は間違っていません。ただ、順番が逆です。

採用で人を増やす前に、今いるメンバーが
なぜ成果を出せていないのかを把握していなければ、
新しいメンバーも同じ環境に放り込まれることになります。
育成の型がなければ、新人は自己流で動くしかありません。
プロセスが見えていなければ、どこを改善すべきかわかりません。
マネージャーが育成に関われていなければ、
何人増えても組織の力は変わりません。

採用はあくまで、組織の基盤が整った後に加速させるものです。
「今いる人材で、営業力を最大化する」——
この発想の転換が、営業組織づくりの出発点になります。

営業組織が弱い本当の原因は「3つの課題」の複合にある

現場に入って観察すると、営業組織が力を発揮できていない組織には
共通した構造が見えてきます。

育成の型がなく属人化が止まらない。
どこに問題があるか見えず改善できない。
マネージャーが忙しすぎて部下と向き合えない。

この3つが複合的に絡み合っています。
どれか一つだけ改善しても、他の2つが足を引っ張ります。
育成・プロセス・マネジメントを同時に整えることが、
営業組織を根本から変える唯一の方法です。


営業組織づくりの最初に必ずやること

では、実際にどこから手をつければいいのでしょうか。
支援の現場で必ず最初に取り組む3つのことがあります。

① 現状の数字とプロセスを見える化する

まず、今の組織の実態をデータで把握します。
成約率はどれくらいか。どのフェーズで失注が多いか。
メンバーごとに何が得意で何が苦手か。

「なんとなく営業力が低い」という感覚ではなく、
数字とプロセスで現状を可視化することで、
本当に改善すべき場所が見えてきます。
感覚での判断をやめ、データで状況を把握することが、
的外れな施策を防ぐ出発点になります。

② 経営者と「どんな組織を目指すか」のゴールをすり合わせる

現状を把握した後、次に取り組むのがゴールの設計です。

「売上を上げたい」という言葉の裏には、
「エース依存から脱却したい」「自分が現場から離れられる組織にしたい」
「採用を加速できる基盤を作りたい」など、
経営者によって異なる本音があります。

このゴールが曖昧なまま動き出すと、
施策がバラバラになり、現場も方向性を見失います。
「どんな組織を3年後に作りたいのか」を経営者と丁寧に
すり合わせることが、組織づくりの方向性を決めます。

③ メンバー全員と1on1をして現場の本音を拾う

現状把握とゴール設計が終わったら、
次に必ずやることがメンバー全員との1on1です。

経営者やマネージャーから見えている課題と、
現場のメンバーが感じている課題は、往々にして違います。
「行動量が少ない」と経営者は思っているが、
現場では「何をすればいいかわからない」と感じている。
「やる気がない」と見えているが、
「頑張っても認められない」という感覚が積み重なっている。

評価と切り離された外部の第三者だからこそ、
メンバーは本音を話してくれます。
この本音の中に、組織づくりの手がかりがあります。


組織づくりがうまくいくとき、現場に何が起きるか

営業組織づくりが軌道に乗ったとき、
現場では2つの変化が同時に起きます。

一つ目は、メンバーが自分から動くようになることです。
仕組みが整い、育成が機能し始めると、
「指示を待つ」から「自分で考えて動く」への変化が起きます。
マネージャーが答えを出さなくても、
メンバーが自分でアクションを決めて動き始める。
この変化が、組織の自走化の始まりです。

二つ目は、マネージャーが育成を自分ごとにするようになることです。
最初は「育成は誰かがやるもの」という意識だったマネージャーが、
「自分がチームを育てる責任がある」という意識に変わっていきます。
この意識の変化が、組織全体の育成文化を生み出します。

実際に支援した製造業の営業組織では、
マネージャーが個人目標を抱えながら管理職を兼任し、
3年連続で部門目標を未達にしていました。
現状把握・ゴール設計・現場の本音を拾うことから始め、
育成と仕組み化を並行して進めた結果、
部門目標達成率114%を実現。
月次目標を達成するメンバーは2名から7名へと増えました。


よくある質問(FAQ)

Q. 営業組織づくりは、何人くらいのチームから取り組むべきですか?

A. 規模は関係ありません。3〜5名のチームでも、
育成の型がなく属人化している、プロセスが見えていない、
マネージャーが育成に関われていないという課題は同じように起きます。
むしろ小規模な段階で仕組みを整えておく方が、
採用で規模が大きくなったときに組織が崩れにくくなります。

Q. 営業組織づくりにはどれくらいの期間が必要ですか?

A. メンバーの行動変容などの変化は1〜3ヶ月以内に現れ始めることが多いです。
数字として成果が出るまでには3〜6ヶ月程度、
組織として自走できる状態になるまでには1年〜1年半を目安にしています。
一気に変えようとせず、小さな成功体験を積み重ねながら
段階的に進めることが、定着への近道です。

Q. 経営者自身が営業から離れられない状態です。組織づくりと並行して進められますか?

A. 進められます。ただ、経営者が営業から離れるための組織を作ることが
ゴールの一つであれば、その前提をはっきりさせておくことが重要です。
まず現状のプロセスを見える化し、経営者が担っている部分を
マネージャーやメンバーに移していく設計を、
段階的に進めることが現実的な進め方です。


まとめ

営業組織を強くしたいと思ったとき、
採用より先にやるべきことがあります。
現状の数字とプロセスを見える化し、
目指す組織のゴールを経営者と設計し、
現場の本音をメンバーから直接拾う。
この3つが整ったとき、今いる人材で営業力を最大化する道が開けます。
採用はその後に加速させるものです。


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