営業メンバーが辞めていく本当の理由|離職率改善のための組織づくり

「また辞めてしまった。なぜ辞めるのかわからない」
こう打ち明ける経営者やマネージャーに、現場でよく出会います。
退職理由として「一身上の都合」「キャリアアップのため」と
伝えられることが多いですが、それが本当の理由であることはほとんどありません。
育成やフォローがなく孤独を感じていた。
頑張っても認められないと感じていた。
マネージャーとの関係性がつらかった。
こうした本音は、辞める間際まで会社に伝わりません。
だから気づいたときには手遅れになっています。
本記事では、営業メンバーが辞めていく本当の理由と、
離職率を改善するための組織づくりを解説します。


営業メンバーが辞める「3つの本当の理由」

支援先の現場で離職が続く組織に入ったとき、
退職者の本音を丁寧に拾っていくと、
共通した理由が浮かび上がってきます。

育成やフォローがなく、孤独を感じていた

営業という仕事は、個人で動く時間が長い仕事です。
うまくいかないとき、壁にぶつかったとき、
誰かに相談できる環境がなければ、
メンバーは一人で抱え込んでいきます。

「困っていても声をかけられる雰囲気がなかった」
「質問したら怒られそうで聞けなかった」
「自分が何をすればいいかわからないまま、ずっと一人でやっていた」

こうした孤独感が積み重なると、
「この組織にいても成長できない」という判断につながります。

頑張っても評価されない・認められないと感じていた

数字が出ないメンバーへのフォローがない組織では、
「結果を出せない自分はいらない存在だ」という感覚が生まれやすいです。

一方で、結果を出しているメンバーでも
「頑張っているのに誰も気づいてくれない」という不満を抱えていることがあります。
承認されない感覚は、数字の良し悪しに関わらず離職につながります。

マネージャーとの関係性が原因だったケースが多かった

離職理由として最も多く、かつ最も表に出にくいのが
マネージャーとの関係性です。

「合わない」「信頼できない」「高圧的で話せない」
こうした感情は、退職面談でも正直に話されないことがほとんどです。
会社としては「突然辞めた」と感じますが、
メンバーの中では長い時間をかけて決断に至っています。

「退職を申し出られてから初めて深刻に受け止めた」

離職が続く組織に共通して感じることがあります。
離職の本当の理由を、会社が把握できていないことです。

退職面談で「一身上の都合です」と言われる。
それを額面通りに受け取り、「縁がなかった」で終わる。
その繰り返しの中で、同じ理由による離職が続いていきます。

退職を申し出られてから初めて深刻に受け止める——
この後手に回るサイクルを断ち切ることが、
離職率改善の出発点になります。


離職率改善のために最初に手をつけること

離職率が改善し始めた現場で、最初に取り組んだことは
主に3つあります。

① 1on1の頻度を上げて、早めにサインを拾う

離職のサインは、辞表を出す数ヶ月前から出ていることがほとんどです。
発言が減る、表情が暗くなる、ミスが増える——
こうした変化を早期に察知するには、
接触頻度を上げるしかありません。

月1回の面談では、変化を拾うのが遅すぎます。
週次の短い1on1を仕組みとして設計し、
「最近どう?」という軽い会話の中から
メンバーの状態を定点観測していくことが有効です。

③ マネージャーの関わり方を変える

離職の原因としてマネージャーとの関係性が多いということは、
マネージャーの関わり方を変えることが直接的な離職防止につながります。

ただし、マネージャーを責めることが目的ではありません。
マネージャー自身も、どう関わればいいかわからないまま
動いているケースが多いからです。

1on1のスキルを高める、フィードバックの伝え方を変える、
承認の言葉を意識的に使う——
こうした具体的な行動変容を、マネージャーと一緒に設計することが必要です。

④ メンバーが本音を話せる場を意図的に作る

通常の面談や会議では出てこない本音を拾うには、
評価と切り離した「安全な場」を意図的に設計することが必要です。

外部の第三者が入ることで、
上司には言えなかった本音が出てくることがあります。
「こんなことを話せると思わなかった」という声は、
裏を返せば「今まで話せる場がなかった」ということです。

本音が出る場を作ることで、離職の予兆を早期に把握し、
手を打つことができるようになります。

実際に支援した組織では、
こうした取り組みを通じて営業離職率が40%から5%以下へと改善。
メンバーが定着することで育成が積み重なり、
組織全体の営業力が底上げされていきました。


よくある質問(FAQ)

Q. 退職を申し出てきたメンバーを引き止めることはできますか?

A. 可能な場合もありますが、退職の意思が固まってからの引き止めは
成功率が低く、引き止めても数ヶ月後に再び退職するケースが多いです。
大切なのは、申し出られる前に本音を拾うことです。
定期的な1on1と、話しやすい関係性の構築が、
最も確実な離職防止の方法です。

Q. 給与を上げれば離職率は改善しますか?

A. 給与は離職理由の一つではありますが、
現場で見る限り、給与だけが原因で辞めるケースは多くありません。
「給与が低い」という言葉の裏に、
「頑張っても評価されない」「成長できない」という感覚が
隠れていることがほとんどです。
給与の見直しと並行して、承認の仕組みと育成環境を整えることが重要です。

Q. 離職率が高い状態が続いており、採用コストがかさんでいます。どう優先順位をつければいいですか?

A. 採用と離職防止を同時に進めることは、
バケツに穴が開いたまま水を注ぐ状態です。
まず離職の原因を特定し、穴を塞ぐことを優先してください。
離職率が下がると採用コストが減り、
育成が積み重なることで組織全体の生産性が上がります。
採用強化は、定着率が改善してから加速させる方が
費用対効果は高くなります。


まとめ

営業メンバーが辞めていく本当の理由は、
「一身上の都合」の裏に隠れています。
孤独感・承認されない感覚・マネージャーとの関係性——
これらは表に出にくいからこそ、
早期に拾える仕組みを意図的に作ることが必要です。
1on1の頻度を上げ、本音が話せる場を設計し、
マネージャーの関わり方を変える。
この3つが、離職率改善の確実な進め方です。


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